代理店FC.comトップ > お役立ちコラム一覧 > 井手 誠さんコラム > ここが大事!FCの法的視点③

ここが大事!FCの法的視点③

ラピス司法書士事務所 井手 誠

2013年10月30日発行

~フランチャイザーの情報提供義務~

こんにちは、FC紛争予防アドバイザーの司法書士イデです。

フランチャイズ契約で、後から紛争となる確率が最も高いのは、フランチャイザー(本部事業者)の情報提供義務違反による損害賠償請求訴訟と言われています。

 フランチャイジー(加盟者)は、契約においてフランチャイザーと同じ「事業者」として扱われます。事業者ですから、当然に、事業経営につきものの投資リスクや事業リスクは、フランチャイジーが自ら背負わなければなりません。

 とはいえ、フランチャイジーになろうとする者は、そもそも脱サラをしたサラリーマンやセカンドビジネス的に手を出す者が多く、いわば事業経営の素人と言っても過言ではありません。少し経験がある者でも、その業界のことやフランチャイズシステムそのものに不慣れであることも多いものです。

 このことからすると、フランチャイズ契約を締結するにあたっては、締結すべきか否かについてフランチャイジー側の正確な判断を促すために、フランチャイザーの有する客観的かつ的確な情報を適切に提供することが極めて重要となります。もし、この情報提供や説明が適切に行われなかったら、リスクをフランチャイジーに全て背負わせるのは酷と言うものでしょう。

 情報提供に関する紛争で、特に問題となるのは、以下の4点です。
①フランチャイザーが追う情報提供義務の内容(売上予測等)
②情報提供はどこまで行うべきか
③情報提供義務違反した場合の損害賠償の範囲
④お互いの過失を相殺できるか

 フランチャイジーへの説明については、独占禁止法・中小小売商業振興法・民法などで定められています。フランチャイザーは、法律や判例に則った情報提供を行うことを求められますし、フランチャイジーは素人とは言えバラ色の皮算用だけではなく冷静に現実を見つめ判断することが求められます。フランチャイジーは、説明が不足と感じたらもちろん詳細な説明を促してよいのです。だって、事業者の仲間入りをするのですから。気持ちよくビジネスを続けるためにも、入口段階の情報提供義務違反によって紛争にならないようお互いが気を付けないといけません。

 フランチャイズ契約に関するご相談は、いつでも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

井手 誠
ラピス司法書士事務所
1976年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、某大手外食企業に就職するも、法律専門職を志し3年半で退社。2006年10月試験合格、2008年12月独立し、現在に至る。

URL:http://lapis1201.jp/
電話番号:092-215-1201(代)

ラピス司法書士事務所 井手 誠さんのコラムです。

COPYRIGHT(C) 2005-2024 MEDIA WORLD. ALL RIGHTS RESERVED.