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転ばぬ先の法の杖~振り込め詐欺??~

ラピス司法書士事務所 井手 誠

2013年06月28日発行

社長の自宅に、突然、裁判所から郵便物が届くことがある。
何だろう?まさかあの件で訴えられたのだろうか?
おそるおそる開封してみると…中には、「会社法違反事件 過料決定」と題した書面があり、過料○万円に処すると書いてある。ははーん、これは、裁判所の名を騙った新手の振り込め詐欺か?

いやいや、そんなことはなく、残念ながらこれは国の正式な文書であり、きちんと支払う必要がある。

なぜか?会社を設立するとき、国の備える登記簿に、商号(社名)や役員などを記録するが、この記録内容に追加や変更があった場合には、必ず変更登記を行わなければならないと法律で決められており、これを怠ったら“過料”(罰金のようなもの)の制裁を行うと規定されているからである。
例えば、役員を変更したのに登記していない、などの理由が多いようだ。

「そんな法律は知らなかった!」などと言われることがあるが、知っていようがいまいが、全く関係ない。違反したら、100万円以下の過料に処せられても文句は言えない。

しかも、その通知は会社に届くのではなく、社長個人の自宅に届けられる。担当者がいる場合、怒られる様が目に浮かぶ。
いずれにせよ過料予備軍はよく見かけるので、早めに司法書士に相談することをお勧めする。

たまに、日付を変えて申請することを勧めるえせ専門家もいるようだが…やってしまうと公正証書原本不実記載等罪という立派な刑法犯(5年以下の懲役又は50万円以下の罰金)になってしまうので注意が必要だ。

井手 誠
ラピス司法書士事務所
1976年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、某大手外食企業に就職するも、法律専門職を志し3年半で退社。2006年10月試験合格、2008年12月独立し、現在に至る。

URL:http://lapis1201.jp/
電話番号:092-215-1201(代)

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