ここが大事!FCの法的視点①
ラピス司法書士事務所 井手 誠
2013年07月25日発行
~FCで争いが起こる原因~
こんにちは、FC紛争予防アドバイザーの司法書士イデです。
FC契約についての争いは、訴訟という形で表に現れますが、当然それ以外に表面化していない争いごとは数多く存在します。今回は、そもそもなぜFC契約で争いが起こるのか?その根本に迫ります。
フランチャイズのビジネスモデルは、フランチャイザー(本部)が、商標の使用や経営ノウハウなどをパッケージにして、フランチャイジー(加盟店)に有償で与えることで成り立つものです。加盟店は、本部が資本投下し苦労して築きあげた(と思われる)ビジネスモデルを利用するものですから、たとえ事業経験がなくてもある程度の見通しをもって参入できるというメリットがあります。
本部と加盟店は、長期的にはお互いにそのビジネスを大きくするという点において、手を携えられるのですが、一方で、あくまで事業者同士の契約関係の面がありますから、事業展開におけるリスクとリターンは同一ではあり得ません。多くの場合、加盟店側は中小零細企業又は個人事業主であって、本部側との間で資金・事業経験・法律知識・情報などにおいて大きな差があります。
この格差を端緒として、例えば、本部が根拠薄弱な利益予測などを提示したり、本部が十分なノウハウを積んでおらず経営指導が不十分であったり、違約金条項がネックとなって加盟店が事業をやめられなかったり、加盟店が離脱後に同じエリアで同種類似の営業をしたり、などの様々な問題が発生すると考えられます。
争いになっても、時間的・金銭的・精神的な面でいいことは一つありません。これからFCビジネスを始められる方は、FCが争いの種をはらんだものであることをよく理解した上で、実際に争いにならないよう契約時に専門家に相談するなど事前に備えることが大事です。本部側は、余計な争いに巻き込まれないよう、契約段階でしっかり内容を理解してもらうことが重要となります。
井手 誠
ラピス司法書士事務所
1976年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、某大手外食企業に就職するも、法律専門職を志し3年半で退社。2006年10月試験合格、2008年12月独立し、現在に至る。
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電話番号:092-215-1201(代)
ラピス司法書士事務所 井手 誠さんのコラムです。