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貸借対照表の読み方

山岡公認会計士・税理士事務所 山岡 健一

2013年06月28日発行

経営者の方や、経理に携わった事がある方なら、財務諸表の一つである「貸借対照表」と「損益計算書」の言葉は聞いた事があるかもしれませんが、会社の経営成績を表す「損益計算書」は重視しても、「貸借対照表」は、あまり重視しない傾向があるかと思います。
しかし、決算書を見る際には、貸借対照表と損益計算書は合わせて評価する必要があります。

貸借対照表には、「資産」「負債」「資本」があります。
勘違いされやすいのは資産=財産、負債=借金と思ってる方が多いのではないでしょうか。例えば、現金や借入金はあてはまるかと思いますが、決算日前に支払いを終えた場合に計上する前払費用は財産ではありませんが、資産となります。

資産は、大きく分けて貨幣性資産と費用性資産の2種類があります。
貨幣性資産は、現金や預金や売掛金、有価証券など将来現金化可能なものをいいます。

一方、費用性資産については、将来の費用となるもので、棚卸資産や固定資産、繰延資産の事をいいます。

例えば、自動車などの固定資産は、会計上では何年間かにわたって費用化していきます。これが「減価償却」とよばれる作業です。よって、同じ資産項目でも、現金や預金や売掛金、有価証券以外の費用性資産が多い場合は、将来の費用が大きくなる会社となるため要注意です。

負債についても同様で、借入金や買掛金、支払手形などはいわゆる借金でいずれ返さなければならないものとなります。一方、まだ提供していないサービスの対価をあらかじめ受け取った対価として前受収益がありますが、これは将来の収益となります。また、引当金は将来のリスクに備えた負債であり、引当金を積んである会社は健全な会計処理を行っている場合が多いのです。

よって、「資産が多いから」「負債が少ないから」といって良い会社だとは限らないのです。貸借対照表を読み解く力は、将来の利益の質を見抜く上でも大事になってきます。

山岡 健一
山岡公認会計士・税理士事務所
山岡公認会計士・税理士事務所代表。1979年生まれ、福岡県出身。2006年公認会計士試験に合格後、2011年に独立開業。
コンサルティング型の会計士として企業の顧問業務を行っている。

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電話番号:092-739-3450(代)

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