役員給与について③
山岡公認会計士・税理士事務所 山岡 健一
2014年05月12日発行
前回は、定期同額給与について説明しました。定期同額給与の金額の変更について
イ その事業年度開始の日から3か月を経過する日までに継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定
ロ 役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(以下「臨時改定事由」といいます。)によりされたその役員に係る定期給与の額の改定
ハ その事業年度においてその法人の経営状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(以下「業績悪化改定事由」といいます。)によりされた定期給与の額の改定に該当すれば変更可能です。
イの場合は、一般的に株主総会決議が行われた後に役員報酬の金額を決定しますので、3か月目からの変更の会社が多いかと思います。給与の計算上、末締めの翌月支払の場合は4か月目の支給で変更になっても問題ないかと思われます。また、決算開始の1月目からの役員報酬の改定につきましても解釈上問題ないかと考えられます。これらの場合、議事録等の保存が必須要件ではありませんが、具備しておくのが会社法上必要であると思います。
ロの職制上の地位の変更は、例えば専務取締役が代表取締役の急逝により代表取締役に昇格した場合や、組織再編に伴い国内業務だけを担当していた役員が、併せて海外業務を担当するようになった場合や、製造担当役員が合わせて管理部門を担当するようになった場合も、職務内容に重大な変更があったものと考えられます。なお、役員の職制上の地位とは、定款等の規定または総会もしくは取締役会の決議等により付与されたものをいうこととされていることに留意する必要があります。
次回は、業績悪化事由の定期給与の額の改定について解説致します。
山岡 健一
山岡公認会計士・税理士事務所
山岡公認会計士・税理士事務所代表。1979年生まれ、福岡県出身。2006年公認会計士試験に合格後、2011年に独立開業。
コンサルティング型の会計士として企業の顧問業務を行っている。
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山岡公認会計士・税理士事務所 山岡 健一さんのコラムです。