小さな会社の『自分で考え行動する』社員の創り方④
コンサルタントエム 光永 尚慰
2013年10月25日発行
社長の最も力強い味方になる社員の見分け方とは?
前回は社員に「安心感」を与えるには、自分が持っているネガティブな要素に基づいて対処法を実施することが大切だけれども、このやり方はすべての社員に効果的ではないというお話をさせていただきました。今回は、それでもなぜこの方法を私が勧めるのか、その理由をお話したいと思います。
実は自分が持っているネガティブな要素に基づいて対処法を実施することで、社員に安心感を与えるかどうかは、社長であるあなたと社員の間で「同じ価値観を共有」しているかどうかが大きな要素となってきます。なぜならば、あなたがいくらネガティブな要素に基づいて対処法を実施しても、価値観を共有していないと相手の心に響き、行動を変えるまでのインパクトを与えることはないからです。
例えば、安心感を与えたいと思っている社員が「失敗することが怖い」と感じるタイプでなかったならば、いくらあなたが失敗した場合のフォローの仕方を説明しても、社員は「なぜコレを強調するのだろう?」という事になりかねません。逆に、同じ価値観を共有する社員を発見しさえすれば、気になる点や力を入れたい点など共通することが多いため、安心感を与えることは比較的容易で、信頼関係を築きやすくなるのです。
もし、あなたと社員との関係が現在とても良好な状態で、この方法で信頼を得ることができれば、それだけで『自立型社員』になってくれる可能性もあります。反対にあまり良好でないとしても、価値観が共有できる相手を選んで関係改善を図った方が容易に改善できることは疑いありません。
私がこの方法をお勧めする理由は、正にこの「価値観を共有できる社員」を発見するために非常に有効な手段であるからです。まずは一人でも良いので、価値観を共有できそうな社員を見つけて下さい。一人見つけて味方になってもらう事で、仕事の進め方がグッと楽になるはずです。
次回は、信頼関係を築く上でやってはいけない事をお伝えしたいと思います。
光永 尚慰
コンサルタントエム
組織人事コンサルタント兼社会保険労務士
社労士業務と合わせて、採用・社員教育・人事制度構築など、人事領域に特化したコンサルティングを福岡の中小企業を中心に行っている。
URL:http://consultantm.com/
電話番号:092-822-7518(代)
コンサルタントエム 光永 尚慰さんのコラムです。