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小さな会社の『自分で考え行動する』社員の創り方⑧

コンサルタントエム 光永 尚慰

2014年03月27日発行

社員のやる気を引き出す施策を打つタイミングはいつがベストか?

前回は社員との信頼関係が築けてきたら、「社員のやってみたい仕事」を聞き出して、是非やらせてみて下さい、というお話でした。今回は社員にやりたい仕事をやらせるベストなタイミングはいつなのか、についてお話したいと思います。

いきなりですが、結論から申し上げると「今スグに!!」がベストです。もちろん、その仕事は実現可能か、今の社員の実力や経験でその仕事はこなせそうか、など検討すべき事項はたくさんあると思います。しかし、心理学の観点から言えば、仕事をやらせるタイミングが早ければ早いほど、「仮報性」という心理がより強く働きます。

この「仮報性」とは、受けた恩は返したいと思う人間の心理の事です。つまり、やりたいことを実現してあげることにより、社員はあなたに恩を感じ、恩を感じた社員はその恩を返そうとして頑張るようになります。そして、やりたいことを実現するタイミングが早ければ早いほど、その「恩を返したい」という気持ちは強くなります。

もし社員のやりたい仕事がすぐに実現できない場合は、なぜ今は出来ないのか理由をきちんと話すことが必要です。ただ闇雲にできないと言うだけでは、かえって社員のヤル気を低下させる原因になりますので、ここは慎重に進めて下さい。

また、社員のやりたい仕事が実現不可能な場合は、その理由を話し、代替案を出すようにして下さい。とにかく、1つでも良いので、社員がやりたいと思ったこと、またそれに近い事をやらせてあげる事が重要です。

このようなお話を経営者にすると、「やりたいと思ったなら、社員が自分から言ってくるのでは?」と言われます。しかし、私の経験上、社員から言ってくることはまずありません。大抵の場合、社員の話を真面に聞かない社長が多い事を社員はメディアや友人の話を通して知っています。なので、社員は進退をかけるぐらいの気持ちで臨まなければならず、結構な勇気が必要なのです。逆に社長から社員に働きかける場合、断られるケースが少ないので、試してみようという気持ちで挑むことが出来ますし、話を聞いてくれたあなたに対して、感謝の念を持つことにもなります。

光永 尚慰
コンサルタントエム
組織人事コンサルタント兼社会保険労務士
社労士業務と合わせて、採用・社員教育・人事制度構築など、人事領域に特化したコンサルティングを福岡の中小企業を中心に行っている。

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電話番号:092-822-7518(代)

コンサルタントエム 光永 尚慰さんのコラムです。

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